【問】 不動産の担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 抵当権は、将来発生する債権を被担保債権とすることができない。
2 保存の先取特権と売買の先取特権は、その登記があれば、先に登記されている抵当権よりも優先弁済順位とされる。
3 質権設定契約は、目的物を質権者に引き渡さなければ成立しない要物契約である。
4 不動産上の留置権は、登記することにより第三者に対抗することができる。
〔問〕 正 解 3
1 誤り。普通の抵当権であっても、期限付債権や条件付債権など、将来発生する債権を被担保債権とすることができる(判例、付従性の緩和)。
2 誤り。不動産担保物権の優先弁済権の順位は、その登記の順位によるのが原則であるが、不動産保存、不動産工事の先取特権は、先に登記された抵当権に優先する(339条)。
尚、不動産売買の先取特権は登記の順位による。
3 正しい。質権設定契約は、目的物を質権者に引き渡さなければ成立しない要物契約である(344条)。
4 誤り。留置権は登記できないが、登記がなくても、第三者に対抗することができる。