【問】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、建築工事完了前のマンションの売買契約を締結するに当たり、宅地建物取引業法第41条の規定に基づく手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)が必要な場合における次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア 売買契約において、当該マンションの代金の額の10%に相当する額の中間金を支払う旨の定めをしたが、Aが保全措置を講じないことを理由に、Bが当該中間金を支払わないときは、Aは、Bの当該行為が債務不履行に当たるとして契約を解除することができる。
イ Aが受領した手付金の返還債務を連帯して保証することを委託する契約をAとAの代表取締役との間であらかじめ締結したときは、Aは、当該マンションの代金の額の20%に相当する額を手付金として受領することができる。
ウ Aが受領した手付金の返還債務のうち、保全措置を講じる必要があるとされた額を超えた部分についてのみ保証することを内容とする保証委託契約をAと銀行との間であらかじめ締結したときは、Aは、この額を超える額の手付金を受領することができる。
エ 手付金の受領後遅滞なく保全措置を講じる予定である旨を、AがあらかじめBに対して説明したときは、Aは、保全措置を講じることなく当該マンションの代金の額の10%に相当する額を手付金として受領することができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
【問】 正解 4
ア 誤り。業者が自ら売主となる場合、工事完了前の物件の売買においてその受領する手付等の額が代金額の5%超または1000万円超の場合は、手付金等保全措置が必要である。業者が保全措置を講じないときは、買主は手付金等を支払わなくてよい(債務不履行にならない)。本肢の場合、Aは契約解除できない(業法41条関係)。
イ 誤り。工事完了前の物件についての保全措置の方法は、銀行等による保証又は保証保険に限られる。
ウ 誤り。保全措置は受領する手付金等の金額について講ずるもので、保全措置が必要な額を超える部分のみに講ずるのではない。
エ 誤り。保全措置を講じた後でなければ、金銭等を受領できない。
よって、誤っているものは4つであり、正解は4である。