【問】 農地法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 農業者が相続により取得した市街化調整区域内の農地を自己の住宅用地として転用する場合には、農地法第4条第1項の許可を受ける必要がある。
2 市街化調整区域内の農地を一時的に資材置場に転用する場合、あらかじめ農業委員会に届出をすれば.農地法第4条第1項の許可を受ける必要はない。
3 山林を開墾し農地として耕作しても、土地登記上の地目が山林から田又は畑に変更されるまでは、農地法上の農地に当たらない。
4 採草放牧地の所有者が、当該土地に賃貸住宅を建築する場合には、農地法第4条第1項の許可を受けなければならない。
【問】 正 解 1
1 正しい。市街化区域以外の区域内の農地を自己の住宅用地として転用する場合には、農地法4条1項の許可を受ける必要がある(4条1項8号)。
2 誤り。農地を一時的に資材置場として使用する場合でも、農地法4条1項、5条1項の「転用」に当る。尚、市街化区域内の農地を転用する場合には、あらかじめ農業委員会に届け出れば許可は不要となるが、それ以外の区域においては、一時的に資材置場に転用する場合は、農地法4条1項又は5条1項の許可を受ける必要がある。
3 誤り。農地法上の農地とは耕作の目的に供される土地であり、耕作とは土地に労働や資本を投じ、肥培管理を行って作物を栽培することをいうが、農地に当たるか否かは、土地の事実状態に基づいて客観的に判断する(現況主義)ことになる。よって、当該土地が現に耕作に供されている(実際に農作物の栽培が行われている)以上、登記上の地目が山林で地目変更の登記がなされていなくても、農地法上の農地である。
4 誤り。農地法4条による自己転用の制限は、農地のみを対象とし、採草放牧地には適用がない。よって、採草放牧地の所有者が自ら行う転用には許可は不要である。