【問】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了後の分譲住宅についての売買契約(手付金500万円)を締結した。この場合、宅地建物取引業法第41条の2に規定する手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば正しいものはどれか。

1 手付金の額が売買代金の額の10パーセントを超える場合でも、営業保証金の額の範囲内であるので、Aは、保全措置を講じる必要はない。

2 手付金の額が売買代金の額の10パーセントを超える場合には、Aは、手付金の受領後すみやかに保全措置を講じなければならない。

3 手付金の額が売買代金の額の20パーセントを超える場合でも、Aは、手付金全額について保全措置を講ずれば、手付金を受領することができる。

4 手付金の額が分譲住宅の本体価額(売買代金の額から消費税及び地方消費税に相当する額を控除した額)の10パーセントを超えていても、売買代金の額の10パーセント以下である場合には、Aは、保全措置を講じる必要はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 4

1 誤り。営業保証金の額に関係なく、手付金の額が売買代金の額の10%を超えている場合には保全措置を講じる必要がある(宅建業法41条の2第1項)。

2 誤り。受領する前に保全措置を講じなければならない(41条の2第1項)。

3 誤り。手付金等の保全措置を講じている場合でも、手付の額の制限の規定の免責事由とはならない(39条1項)。2割を超える手付は受領できない。

4 正しい。消費税及び地方消費税に相当する額については、売買代金の一部に含まれるものとして取り扱われるため、税込金額を基礎に保全措置の必要の有無を判定する(41条の2第1項)。