【問】 相続に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 相続開始の時において相続人が数人あるとき、遺産としての不動産は、相続人全員の共有に属する。

2 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができ、また相続開始の時から5年を超えない期間内で遺産の分割を禁ずることもできる。

3 遺産の分割について共同相続人間に協議が調わないとき、各共同相続人は、その分割を、相続開始地の地方裁判所に請求することができる。

4 自筆証書によって遺言をする場合でも、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の財産目録を添付するときは、その財産目録については自書することを有しない。この場合において、遺言者は、その財産目録の毎葉に署名し、印を押さなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔問〕 正 解 3

1 正しい。相続人が二人以上の、いわゆる共同相続の場合、相続財産は、各相続人の相続分の割合に応じた共有となる(898条)。

2 正しい。被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができ、また相続開始の時から5年を超えない期間内で遺産の分割を禁ずることができる(908条)。

3 誤り。遺産の分割を請求することができるのは、家庭裁判所である(907条)。

4 正しい。自筆証書によって遺言をする場合には、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない(968条1項)。ただし、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の財産目録を添付するときは、その財産目録については自書することを有しない。この場合において、遺言者は、その財産目録の毎葉に署名し、印を押さなければならない(同条2項)。